アスペ覚書

当事者

言えない

どうしてこんなこともできないの、とか
君のその行動はどんな意図でやってるの、とか
そういう質問は言葉に詰まる。


昔は理由が分からないから言葉に詰まっていた。
知識が増えた今では理由を説明できるが、全部説明しようとすると長すぎてやってられない。
根本的原因を辿れば「アスペだから!」の一言で片付くことが多い。


しかしその一言は口に出せない。
なぜなら、私はアスペです、と定型発達者に打ち明けるのはあまりにもリスクが高いからだ。
周囲との関係が良好という前提で、会話の中で自然にカミングアウトするなら許されるかもしれない。
しかしさほど親しくもない相手からの、上手く返せない質問や詰問に対する返答として使うのは最悪。
理解が得られないどころか、余計な偏見を持たれることになるだろう。
アスペのことをちゃんと理解している人なんて滅多にいないのだから。


答えが分かっているのに答えられない質問をされるのは不快なものだ。
人付き合いは面倒だと感じる要因の一つだと思う。